古民家リノベーション

上田市M様邸

2階に蚕室がある古民家。

養蚕が盛んだった上田小県地域に於いては

現在でも数多く点在していて

その姿を見る事が出来る建築様式です。

解体工事前の外部の様子です。

2階の床面積は、

桁行6間(10,920㎜)×梁間3間(5,460㎜)の18坪でした。

耐震性や耐久性を重視し1階の荷重負担減の為に

約6割の減築を提案しました。


解体工事前の内部の様子です。

内部は良い状態でした。レトロなテレビがイイ感じです。全体的に一方向への傾きが確認されました。

床・壁・天井全て既存は取り壊しました。梁・柱も状態が良いものが多く、一部を入れ替えただけです。

2階の小屋組みは、扠首(さす)構造でトラス構造の一種。大きな梁間や急な屋根勾配に対応できます。


解体工事中の様子です。


大工工事中の様子です。

小さくなった2階。外観上の仕上りバランスも考慮して軒高も低めにしました。

状態の良い既存の梁を削って再利用しました(4段目右画像)。鬼瓦も再利用。


建具も解体し、痛んでいる部分を修復しました。


完成後の外部の様子です。


完成後の内部の様子です。

和室が本来のいやそれ以上の姿に甦りました。キッチンは対面式にして現代の要素も採り入れました。

新しく入れた柱や梁、内法はあえて着色しませんでした。やはり長い時間を掛けて燻された柱や梁に勝てません。

漆等を使うならまだしも安易な着色はウソっぽくなります。

木地のままの方が全体的に見てもごく自然なのです。


いかがでしょうか?

古民家が新たな価値を吹き込まれた事によって見事に甦りました。